1-2.輸入元の名前を覚えましょう

     銘柄、生産者、ヴィンテージの話しをする前にちょっとお待ち下さい。 ラベルに記載されていることばかりに注意を向けて、肝心の中身のことをお忘れでは?
    あなたの目の前にあるワインの過去に置かれた環境は? 寒帯、温帯、熱帯? この問題はワインにとって非常に重要な事ですが、非常に調べ難いことでもあります。 ただ、輸入業者によってほぼ入手ルート、輸入方法が決まっている事がありますので、 飲まれたワインの品質と輸入業者の相関をチェックするために輸入業者名を覚えましょう。

     

     輸送方法や保存方法など取り扱いも改善され、どうしようもなく傷んだワインは 巷からかなり姿を消しました。が、それでもまだまだ皆無とは言えない状況です。 さらに、流通段階のどこかで取り扱い状態が悪く、品質が多少おかしくなった程度のワインですとまだまだ 結構見受けられます。この傷んだワインを売り場で100%見分けるのは極めて難しい ことです。

     

     しかし同じお金を出すのであれば、出来る限りベストの状態に近いワインを買いたいものです。
     一つ引き合いにだしますと、「貴方は魚を買う時、同じ値段ですと天然物と養殖物とどちらを 買いますか。?」一般的にみて当然天然物でしょう。が、しかし「その天然物は傷み掛かっていて、 養殖物はピンピン跳ねている。」となると誰もおかしな天然物を避け、元気な養殖物 を買うでしょう。しかし、魚屋さんは言います「魚は何と言っても天然物ですよ。」
     さて、あなたはここでどちらを買いますか・・・・・?当然、天然物の肩書きよりは元気な生きの良い方を 買う事になるでしょう。
     ワインを買う時も同じです。ラベルに記載された肩書きに気を取られてはいけません。 いかなる銘醸ワインも傷んでいては本物の味・香を楽しむことができないどころか、 実に不愉快な臭い、味になることもあります。臭いをかいだとたん、口に含んだとたん・・・・・・・、オエッ!


     さて、このワインの保存に影響を与える条件の一つに販売店に来るまでのルートが有ります。 取り分け、輸入ワインはどんなルートを辿ってくるでしょう。
     これを一般的な運送(航空便を除く)の点から簡単に説明致しましょう。 ここでは酒類免許上の取り引きルートではありません。


    1-2-1.コンテナタイプの問題

     

     ここで最も問題になるのが?船で、海上輸送中が問題です。 これはコンテナの種類と船の中のコンテナの位置で、輸入業者によって様々です。ではまず基本的なコンテナの種類と 問題点を説明しましょう。
     なおコンテナそのものを見た事はありますが、洋上での内部温度につきましては、運送会社 の話しを信じるしだいです。

    • ドライコンテナ:鉄板一枚のコンテナ。

       最近、コンテナの中で中国人密入国者が亡くなられました。 太陽に照り付けられたコンテナの内部は軽く40度以上の温度になり脱水症状が原因 だった様です。

       

       さて、このドライコンテナにワインを入れ、これを船上に積み、洋上を 昼夜一週間過ごすとどうなるか。もう想像がつくでしょう。 日本に到着した時どころか、どこか洋上でワインは熱にやられて変質して しまいます。
       かつてはこのようなワインが市場を席巻していました。そして、そのワインを のんで、理屈を捏ねている人がいたのですね! 

      えっ! 今もいるって?! この様なコンテナは使って欲しくないです。

       

       なお、このドライコンテナも甲板の下の方に積みますと高温にさらされることもないようですが、それでも結構暑いそうです。(船会社の話)

    • イソキットコンテナ又はインシュレイテッドコンテナ:断熱材、輻射熱防止材を 装備しコンテナ内部の温度が上がらないようしています。

       

       ドライコンテナのように内部温度は上がらず安定するようです。とは言っても 次のリーファーコンテナ程低温安定ではありません。
       なお、このコンテナで輸入しながら「リーファー」で輸入と説明している 輸入業者(営業は知らずに言っていることがある)がいますが、これは改めて頂きたいものです。

    • リーファーコンテナ:空調機を装備したコンテナ。

       

       内部温度は一般的に13−15度位に 保たれています。ですからワインはほぼ健全な状態に保たれています。 輸入業者によってはボトルに貼られた輸入元シールやバックラベル、ときには 箱に“REEFER(リーファー)”の文字を記載しています。 ただ、リーファーコンテナを使用していないのにREEFERのシールを使用 している業者があると聞いた事がありますが、事実だとしますと、それは詐欺としか言いようがありません。(実際、出くわしたことが有ります)

     この様な3種類のコンテナの中でリーファーコンテナが最も望ましいですが、輸入して 極めて短期間で消費されるならイソキットコンテナでも差し支えないでしょう。(しかし、やっぱり良くない・・・!)

     

     まだまだ多くの輸入業者が100%リーファーコンテナを使用しておりません。 ところが、リーファーコンテナ輸入と言われるワインの多い事。 リーファーコンテナ輸入と言うのに温度14度のセラーで保存して、半年立たない内に味がおかしく なるワインの多い事。本物のリーファーで輸入し14度で保存するとテーブルワインでも 1年2年、品物によっては3年平気です。これは実験済みです。


    1-2-2.現地での問題(コンテナに収納する前)

     

     さてここで「リーファーコンテナを確かに使用しているのだが、どこかで悪い環境に 置かれたのでは?」と言うことが有ります。こうなるとさらにチェックは難しくなります。

     

     日本で輸入量の最も多いワインはヨーロッパ産で、取り分けフランスそしてドイツ、イタリアです。 これらのワインは地中海、スエズ運河、インド洋、マラッカ海峡、南シナ海を通って 3週間から4週間の船旅で日本に到着致します。この間リーファーコンテナの性能が生かされるわけです。
    しかしこのリーファーコンテナに収納する前に、保存環境が良くなかったということが有ります。それには次のことが考えられます。

    • 現地の輸出業者の倉庫管理の問題:かならずしも写真で見た様な低温で安定したセラーにワインを保管している 輸出業者ばかりとは限りません。 温度管理の悪い倉庫に長くワインを保管したため出荷前にもう既に正常でない 品質になってしまえば、いくらリーファーコンテナを使用しても意味のないことです。 ただこの問題は主に銘醸ワイン等で起きます。テーブルワインや安価な AOCワイン(後述)は短期保管で出荷されますので殆ど問題はないでしょう。

    • 輸出相手国からの出戻り:生産国から一度他の国に輸出され、再び生産国に輸入 することがあります。 特に銘醸ワインほどビジネスの対象になり、世界中に輸出されたあと一国だけでな く複数の国を経由して生産国に戻ってくることが有ります。この第三国を転売され る間に、どこかで悪い保存環境下に置かれ、生産国に戻った時には「傷んでいた」というこ とになるわけです。もちろん直接第三国から日本に輸入しても同様のことが起きま す。ただ、この問題はテーブルワインや安価なAOCワイン(後述)では殆ど生じないことです。 なぜなら、安いワインを「盥まわし」しても配送コストの比重が大きくなるだけで商売にならないからです。

    • 陸送中及び集荷場や輸出港での問題:輸出業者をでるとき、すでにリーファー コンテナに収納され空調機が作動し、そのまま船に乗って日本へ来れば問題は ないのですが、世の中理想通りにはいかないものです。暑い中をトラックで運送 され、あまり温度環境の良くない集荷場で他の荷物を待つことがあります。 ただこれらの問題は通常時間的に短い間のことが多いので、それほどワインの 品質に悪影響を及ぼす事はないでしょう。
      通常でない事として「スト」の問題が あり、夏の暑い時これに引っかかるともう悲惨です。
      特にあの「凱旋門」のお国はストが好きで・・・・、本当に困ります!

     

    1-2-3.日本に到着してからの問題

     

     さあ、現地でも保存は問題無し、コンテナも問題無し、販売店も問題無しとなると、考えられるのはコンテナが 陸揚げされ販売店に来るまでの間です。
    これは輸入業者によって国内の物流ルートが決まってきますので、上記1-2-1や1-2-2よりは確認し易い問題点です。 ただし船からコンテナが降りて、輸入業者指定の“?港の倉庫”に入るまでに予期しない位長くかかることがありますが、 基本的には“?港の倉庫”に入ってからの問題です。


     主に、この“?港の倉庫”でワインは保管されるので、ここで保存環境が悪いと出庫さ れるときにはもう傷んだワインになっている、つまり「入る時は良くて」も「出る時は悪くなっている」と言うことです。 一般的に港の倉庫はワイン用に空調設備を備えていることが多いのですが、空調倉庫に保管するか、常温倉庫に保管するかは 輸入業者がしています。 空調倉庫を指定すれば、一夏でワインが傷むと言うことは少ないようです。


     ところが、“?*輸入元営業所の倉庫”や“?"問屋の倉庫”には空調設備がないことが多く、酒販店が仕入れをした段階ですでに傷んだワインになっているわけです。 つまり“?*輸入元営業所の倉庫”や“?"問屋の倉庫”に長く保存される程ワインに とって危険なわけです。
     結局、輸入された後、短期間に消費される(または消費者の手元に届く)ことが最も 望ましいでしょう。

     

     以上、1-2-1、1-2-2、1-2-3のことは輸入元によってそれぞれ ある程度この輸入ルートや方法が決まっていますので、輸入元をチェックしている うちにその「癖」が分かるように成ります。これはかなり難しいことですが、 もし貴方が分かるようになり始めましたら、「悪い物」をつかむことが少なくなるでしょう。
     実は「どの輸入元」「どういうワイン」等具体的に上げることはできますが、「名誉毀損」の問題が有りますので、 控えさせて頂きます。


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