1-5.ワインの勉強はまず地理の勉強から

    山梨のワインですと産地は「山梨県」、勝沼ワインは・・・・「山梨県」と分かり、山梨県は日本の 何処にあるのかもお分かりでしょう。そして四季折々の気候も想像がつくと思います。これは学校教育として 日本地理を勉強したことと、テレビ・新聞・雑誌等で山梨の気候風土の情報がもたらされるからでしょう。 もちろん、そこに住んでいる方や訪れた方もいるのです。

     

    ワインの個性は産地の気候風土に影響されますが、そうなると益々産地の地理的情報や気候風土の 情報が重要に成ります。 そして、これらの情報を持ってワインを賞味する方が気候風土の違いとワインタイプの違いが分かり やすくなるでしょうし、更に歴史書・テレビ・新聞・雑誌・映画等で出てくる各国、各地方の話題が 「酒の肴」にもなり、全く知らない土地のワインを賞味するよりも味わいは一入美味なるものに 変わることでしょう。 またその方が、賞味するワインの産地名、ワイン名等がより覚えやすくなるのではないでしょうか。

    ここでは「ワイン産地の一つの覚えかた」を提案致します。

     

    1-5-1.地理と気候

       世界の主なワイン産地の気候は地中海性気候と西岸海洋性気候の二つに大きく分かれます。 地中海性気候はその名の通り地中海沿岸の温暖な気候で、カリフォルニア(ナパやソノマ)やオーストラリアの一部、 チリの一部もこの気候です。温暖な気候で、夏期の降水量が少ないため畑で葡萄の果汁糖度は上がりやすく、取り入れ時期に お天気をあまり気にする必要はありません。
      西岸海洋性気候はフランスの大部分とドイツですが、北へ行くほど、内陸へ行くほど平均気温は下がっていきます。 そして、葡萄の果汁糖度は上がり難く、取り入れ時期のお天気が本当に気がかりです。 また、ワインの生産地方(ボルドー、ブルゴーニュというように)でも海側と内陸、北部と南部では 気候が変わってきます。さらに地形によっても変わります。


       是非、世界地図を広げワイン産地が何処に位置するか確認して下さい。この時の地図はワイン産地を記した 地図だけでなく、できましたら学校教育で使用する高等地図帳(2500円位)も準備して下さい。 地形、気候、農業、貿易、人種等いろいろな資料が載っています。

     

    1-5-2.周辺の町やワイン以外の話題も参考にしては?

       

      単に地理的にワイン産地を覚えるよりもその産地あるいは周辺の地名や話題を取り上げてみます。 「あっなんだ、あそこか」ということになるかもしれません。

      • フランス(イタリアが長靴の国ならフランスは六角形の国です)
        ボルドーの100Km北はコニャック、150Km南はアルマニャック、150Km東には壁画で有名な ラスコーの洞窟とクロマニョン人のクロマニョンがあります。
        ブルゴーニュは南北に細長い産地ですが、北のシャブリ地区の100Km北西にはフォンテンブロー の森が、150Km北西はパリです。
        日本で良く知られているマスタード、エスカルゴ、カシスはブルゴーニュ名物です。
        ボジョレーヌヴォーで有名なボジョレー地区の100Km東はスイスのジュネーヴです。
        シャトーヌフデュパプの南方約10Kmには「橋の上で踊ろよ 踊ろよ」の歌でおなじみアヴィニョンの橋が あります。今は半分崩れていて立ち入り禁止です。上で踊らないで下さい。
        ロワールのワイン、ロゼダンジュ(Rose d'anjou)はアンジェ(Anjers)市近郊が産地ですが このアンジェ市の100Km北東には自動車レースで有名なルマン市があります。車は耐久レースですが、 ワインのほうは耐久性がありませんので早めにお飲み下さい。

      • イタリア
        ボトルに菰をかぶせたキャンティの産地トスカーナ州にはフィレンツェやピサ(斜塔の町)があります。 ピエモンテ州の銘醸バローロ、バルバレスコの産地はトリノの南方40-50Kmにあります。トリノは自動車の フィアットの本拠地で、フィアットの会長は今やシャトーマルゴーのオーナーです。 車はフェラ−リ、ワインはマルゴーですか!(フェラ−リはフィアットの傘下です。)
        ヴェネト州の爽快な白ワイン、ソアーヴェの産地は水の都ヴェネチアの100Km西にあります。 南のポー川流域はイタリア米の産地。これが本物の「イタ飯」、結構良い味です。

      • ドイツ
        シュロスヨハニスベルガー、リューデスハイマー、シュロスフォルラーツ等を産するラインガウ地方は フランクフルト市の西方50Km位のライン川の北岸に有り、南岸はラインヘッセン地方です。
        ここから10Kmほどラインくだりをするとそこは名勝「ローレライ」です。 このローレライからさらに30Km位下るとコブレンツ市が有りここで南から合流して来る川が モーゼル川で、この流域一帯(ザール川を含む)がモーゼル・ザールルーバー地方です。 この地方の有名なワインは、猫マークのツェラーシュヴァルツカッツ、ピースポーターミヘルスベルク、 があります。ドイツの銘醸産地はローレライを中心に半径100Km内に集まっていますが、ローレライの話しは ひょっとして「飲み過ぎ」がもとでは?

       

      皆さんもワイン産地を覚えるために、この様に「話しのネタ」を探してみては如何でしょうか。


「前項」へ 「注意点目次ページ」へ